GALANT GDI Viento-R メンテナンス講座
019:LLCの交換方法


LLC(Long Life Coolant=冷却水)は一般的には距離に関係なく2〜3年ごとに交換することが望ましいようである。我がギャランを購入して3年目に入り、過酷な夏を3つ超えることになるので交換することにした。交換作業は水温が下がった状態で行う。水温が高いとキャップやドレンを外した瞬間に沸騰して、やけどの危険があり非常に危険。
 必要な工具:不要
交換手順はまず、ラジエター下部にある蝶ネジを緩める。蝶ネジの位置はラジエターの運転席側。GDIならば上から確認することができる。上からのアプローチは難しいので下から作業をする方法をお薦めする。この蝶ネジは取り外さなくても排出できる構造になっているので、緩める過程で液が排出されはじめたら、更に数回転緩めておしまい。この状態ではチョロチョロしかは移出されないので、ラジエター上部のキャップを外して内圧を抜いて排出する。
液が抜けたら(適当でよい)次は洗浄。蝶ネジを元に戻してラジエター上部の注入口に水道のホースを差し込み、若干溢れる程度の水を流しっぱなしにする。エンジンを始動して、循環水で洗浄を行う。この時、暖房を最高温度にして作動させておくこと。LLCはヒーターの熱源として使用されるため、ヒーターコア内も綺麗にするためである。
これが使用済みのLLCの画像。一見まだ大丈夫のように見えるが、かなりどす黒い色に変色している。新品の画像はないのだが、比べてみて初めてその汚れに気が付くのである。週末しか乗らないが、丸2年、距離にして3万キロでこんな状態。ラジエターコア内も若干汚れていたので早めの交換をお薦めしたい。
暫くすれば、(時間にして15分ぐらいでしょうか)エンジン内に残っていたLLCが循環されて出てくる。液の色が薄くなり始めたら洗浄完了。再びラジエター下部のドレンから水の抜き出し作業を行う。この時、液はかなり熱くなっているのでやけどに注意すること! 液が完全に抜けたら、一旦蝶ネジを全て外して再度注入口から水道水を入れて洗浄する。この作業は一種のおまじないみたいなモノなので必須ではないが、何となくこれをすることによってラジエター内がすっきりするような気がしている。この時に蝶ネジのパッキンの状態を確認する事も忘れずに。液が完全に抜けたら、ドレンを確実に締め付ける。蝶ネジはプラスティックなのであまり締めすぎると壊れてしまうので程々に。
今回使用したLLCは95%の原液であったため、規定値まで薄めて使用することになる。濃度と凍結温度の関係は製品誤差があるだろうが、目安としては以下の通り。
 濃度30%:凍結防止温度=-15度
 濃度40%:凍結防止温度=-20度
 濃度50%:凍結防止温度=-30度
 濃度60%:凍結防止温度=-50度
特別な寒冷地を除き、凍結防止温度=-15度を設定値とすればよいはずなので、濃度が30%になるようにジョッキで事前にセットしておく。但し、洗浄時に使用した水道水が系内に残っていると思われるのでやや濃いめにする方が安全だと思う。
一旦この状態で注入口目一杯にする。キャップを外したままエンジンを始動すれば、液が減るので追加で注入する。液が循環しはじめると、今度はエアが抜けてくる。このエアが出なくなれば完了。エンジンを停止してキャップをしめれば完了である。
更に暖機を行い、ドレンからの液漏れがないことを確認しておくことを忘れずに。
忘れてはならないのがリザーバータンク内の洗浄作業。タンク下側をエンジン側に傾けるようにして上に持ち上げれば簡単に外れる。十分洗浄した後に濃度調整したLLCを規定値(Full)まで入れる。翌日の始動前に、液量の点検を行い、減っているようであれば更に追加しておくこと。参考として、リザーバータンクのLowとFullの間の量は約0.5リッターなので、それに見合う濃度調整したLLCを補充する。


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