GALANT GDI Viento-R メンテナンス講座
042:ドライブベルト(ファンベルト)張り具合の調整方法(4G93型GDI)


 メールフォームから「ファンベルトの調整方法」を教えて欲しいとの依頼がありましたので紹介します。
整備解説書(正確にはGDIエンジン解説書)では非常に簡単に記載されているが、実車を見ると奥まった部分に調整部があり解説書のように簡単には出来そうもない。ここでは解説書に記載の方法に基づいて画像入りで説明するが、実作業には少々コツが必要だと感じた。

余談ですが、横置きエンジンが主流となって「ファンベルト」という呼び名は「ドライブベルト」に変わっているようです。整備解説書にもそのように表現されています。

【注意事項】
ココで紹介するのは私の車(前期型Viento-R)の画像である。
年式やモデルによってはこれとは異なるので注意が必要。
ここに掲載される情報に基づいて作業する場合は自己責任でお願いします。

4G93型GDIには2本のベルトがあります。一つはオルタネータードライブベルトと称してオルタネータを駆動させるベルト。もう一つはパワーステアリングオイルポンプ・A/Cコンプレッサードライブベルトと称してパワーステアリングオイルポンプ・A/Cコンプレッサーを駆動させるベルト。以下それぞれを略して。オルタネータ側、パワステ側と表記します。
まずは基準値の紹介

◆オルタネータードライブベルト(オルタネータ側)◆
項目 点検時 使用ベルト
張り直し時
新品ベルト
装着時
振動周波数 Hz 151〜195 163〜185 195〜230
張力 N {kgf} 294〜490
{30〜50}
343〜441
{35〜45}
490〜686
{50〜70}
たわみ量 mm
参考値
8.0〜10.5 8.5〜10.0 7.0〜8.0

◆パワーステアリングオイルポンプ・A/Cコンプレッサードライブベルト(パワステ側)◆
項目 点検時 使用ベルト
張り直し時
新品ベルト
装着時
振動周波数 Hz 141〜139 121〜133 145〜166
張力 N {kgf} 392〜588
{40〜60}
441〜539
{45〜55}
637〜833
{65〜85}
たわみ量 mm
参考値
10.0〜12.0 10.0〜11.0 7.0〜9.0

では、それぞれのベルトの調整箇所を紹介します。

オルタネータ側ベルトは、オルタネータ上側にテンション調整用のボルトがある。画像で矢印上側がアジャストボルトで下側がロックボルト。これ以外に画像にはないが、オルタネータ下部にオルタネータを固定しているピボットボルトがある。

1.ピボットボルトのナットとロックボルトを緩める
2.アジャストボルトでベルトの張りを調整
3.ピボットボルトのナットを締め付ける
4.ロックボルトを締め付ける
5.アジャストボルトを締め付ける

パワステ側は左側の画像にあるパワステポンプとエアコンコンプレッサーとの中間にあるテンションプーリーで調整を行う。
 1.テンションプーリー固定用ボルト(左の画像矢印部)を緩める
 2.調整ボルト(右の画像矢印部)で張りを調整する
 3.テンションプーリー固定用ボルト(左の画像矢印部)を締め付ける。

 
 


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