GALANT GDI Viento-R メンテナンス講座
041:VR-4用ハイコントラストメーターを前期型への移植する方法


ハイコンを前期型の通常メーターへ流用する質問が数多く寄せられるので、後期型の移植と殆ど同じ内容ではあるが、順を追って説明したい。前期型での問題点は以下の通り。
 1.4気筒化:GDIでは気筒数の違いにより、実際の回転よりも低く表示される
 2.文字盤の輝度調整:そのままでも指針や文字盤は点灯するが、輝度調整が出来ない

!!注意!!
毎回の事ですが、改造は自己責任で行ってください。
年式やグレードによって方法が異なる場合が多々ありますので、
ココに記載している方法が全てのモデルに適応できる保証はありません。

1.4気筒化
1.初めの作業はメーターユニットの分解。上下3カ所あるツメで固定されているメータのガラス(黄色矢印)とウィンドープレート(黒枠、赤矢印)を外す。また、正面から見て回転計の上側(ユニットの最上部右側)に1本ビス(青矢印)があるのでコレも外しておく。

2.ユニット裏側にある白いカバー(コンビネーションメーターケース)を四隅にあるビス(赤矢印)を外し、それに覆われている基盤を外す。ユニット上側には長めのピンコネクターで接続され、下側はプリント基板が左右2カ所に差し込まれているのでそれを外す。(下側は外さなくても作業は出来るが、接続部のプリント基板を損傷する可能性があるので外した方が無難)

3.プリント基板上にあるネジ(赤丸部分)を外す。燃料計、水温計、回転計5カ所。速度計は6カ所。それぞれに長さの異なるネジが使用されているので注意する事。(プリント基板上に目印がある)コレでメーターアッシーが取り外せる。水温計と燃料計は外側からスライドではめ込まれているだけ。それ以外は一体化されている。

↓水温計と燃料計を外して裏から見た状態↓

4.回転計裏にある基盤上にこげ茶色の四角い物体が交換するコンデンサを交換すると回転数が適正化される。具体的には6気筒モデルの103(0.01μF)を4気筒モデルの装着されている153(0.015μF)に交換する。極性がないコンデンサなのでどちらに付けてもOK。私の場合は手元にある標準メータのコンデンサを基盤から拝借してハイコンへ装着した。(新たに購入した方が手っ取り早いかも)

2.文字盤の輝度調整
 前期型の場合はそのままでも全ての指針は点灯する。しかし最大輝度で固定となり、加えてスモール連動で暗くならない。標準メーターのようにスモールと連動して暗くさせたり、VR-4の様に輝度を調整させるのであれば「レオスタッド:MR346537」を購入しなければならない。

1.レオスタッドにはカプラーが使用できるようにガイドがあります。カプラーを使用しない場合はこのガイドが邪魔になります。また、ピンが細くてスピーカー用の平型メスギボシ(110型)が必要になり、更にピン同士の間隔が狭いのできちっとした絶縁が必要になります。私はご覧のようにガイドを切断し、配線をセットしました。

画像の状態で左から2ピンと3ピンがあります。これらのピンの接続は以下の通り。

(画像左から)
 コネクタD-08、11番:イグニッションライン
 コネクタD-08、12番:メーターユニットへ接続(後述に詳細説明あり)

 コネクタD-07、1番:アース
 コネクタD-07、2番:接続不要
 コネクタD-07、3番:イルミネーションライン

コネクタD-07の2番は他のイルミラインも連動して輝度調整を行う場合に該当の配線を接続するようになっている。難易度は高くないが、他のイルミはそのままでも良いので今回はパス。本音としては作業がややこしかったためだったりして。。。

2.今回の取付作業で一番の難関(個人的意見)であるメーターユニットからの配線の分岐作業についての説明です。
標準メーターではアースに繋ぎ込んでいる配線が2本あります。これがハイコン仕様の場合、1本は同じようにアースへ、もう1本はレオスタッドへ接続されている。本当ならば、メーターの部分に手を加えることなく、分岐合流部で配線を分ければいいのだが、配線図集にもその場所が記載されておらず、実車でもその部分の確認が出来なかった。結局メーターユニットへの半田付けとプリント基板を一部カットすると言う「荒技」で強引にレオスタット用分岐配線を増設しました。

レオスタッドメータの裏側はこんな感じになっています。一般メータとの違いは裏側に大きなカバーがあり、何かを覆っている。これはビス4本で固定されているだけなので取り外しは簡単。
白いカバーを取り外した状態。はっきり言って非常に複雑な基盤です。
これは単にはめ込まれているだけですが、基盤の右上にメーターユニットへ差し込まれているピンがあり、これを引き抜くとこの基盤も外れます。但し、下側はプリント基板が接続されているので完全に取り外すにはそれなりの覚悟が必要。(今回は取り外さなかった。)

これが基盤を外した状態。基盤の裏側には色々な電子部品が...
専門ではないのであまり深く追求せず。

ココまでバラす事が出来れば、コネクター部分から迷路を辿るように基盤のラインを追っかけて、レオスタッドへ持っていく配線の接続先が見えてきます。

配線図集によれば、画像右側にある矢印(コネクターの左側上から2番目)がレオスタットへ接続する。

このラインを辿っていくと丁度いい塩梅で半田付けされている箇所がありました。これに新たに強制的にレオスタッドへ引き込む配線を取り付けます。

半田付けに自信がないこともあって、半田が流れても影響がない側に配線を取り付けた状態。
走行中の振動で外れてしまうことはないと思うが、増設した配線はビニールテープでしっかり固定しました。
配線を接続しただけではレオスタッドは機能しません。何故なら標準メーターではコネクターの先でアースへ繋がっているため、このラインをカットします。
基盤上で一番カットしやすい場所を探したところ、ご覧の丸印の部分に決めました。
ちょっとしつこいかも知れませんが、カットした部分の拡大画像です。プリント基板が浮いていて、隣のラインとの間隔も広い場所はココだけです。
あとは逆の手順でメーターユニットを組み立てれば完成。レオスタッドを純正と同じ位置に追加したい場合は追加の部品が必要になるので、詳細は「こちら」のページに部品等の情報を紹介しているのでご覧ください。

毎回のことですが、これを見て作業をされる場合は「自己責任」でお願いします。


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